福島県南会津郡只見町/合同会社ねっか・奥会津蒸留所ねっか 脇坂斉弘

脇坂斉弘

福島県南会津郡只見町/合同会社ねっか・奥会津蒸留所ねっか

そだててつくる学科 農商品学類

福島県内にある日本酒蔵の元・蔵人。その酒蔵に酒米を卸していた米農家たちと5人で2016年7月に合同会社「ねっか」を設立。メンバーは月1回「ニッカの会」を開くほどウイスキー好き。「いつか地域でウイスキーを造ろう」「地域のお米をブランド化したい」というメンバーたちの強い思いを受けて、ウイスキーと同じ蒸留酒の米焼酎造りをスタート。建築現場監督、日本酒蔵人という経歴と人柄、そして“アツイ”メンバーたちによって、日本一小さな蒸留所は地域を牽引する存在に。米焼酎を起点とした地域の仕事づくり、特産品づくり、風景づくりも目指している。

プロフィール

なつかしい地域の風景をつなぐ蔵人

「いつか地域でウイスキーを造りたい」という思い

ねっかのメンバーは只見町の米農家を中心とした5人だが、脇坂さんだけは米農家ではなく、只見町の隣町にある酒蔵で日本酒を造る蔵人をしていた。その酒蔵に酒米を卸していた米農家たちと2016年7月に立ち上げたのが合同会社「ねっか」。メンバーは毎月1回「ニッカの会」を開くほどのウイスキー好き。「いつか地域でウイスキーを造りたい」という思いと、「只見のお米をブランド化したい」というメンバーたちの強い思いから、ウイスキーと同じ蒸留酒の米焼酎を造ることになった。国は新規の日本酒免許は出さない方針だが、「特産品しょうちゅう免許」という規制緩和によって焼酎ならば製造が可能なことも米焼酎づくりへの道を拓いた。

小売店では1週間で売切れてしまうほどの人気

ねっかの立ち上げからたった半年間で、古民家を事務所に、農作業小屋を蒸留所にDIYで改築。建築現場監督、日本酒蔵人という経歴や人柄によって培ってきた人脈を駆使して、コスト削減しながらもスピーディーに蒸留所は完成。メンバー5人のほか、心強い協力者たちも恵まれていることがうかがえる。2017年1月に免許がおりてすぐに米焼酎づくりを開始した。特定焼酎免許によって生まれた米焼酎蒸留所としては全国で2番目。そして5月までの5ヶ月間で計1万本分の米焼酎を製造。4月から販売をスタートしたものの小売店では陳列から1週間で売切れてしまうほどの人気を集め、飲食店からの要望にも応えきれないほど引き合いが強い。今後は、つながりがある全国の米焼酎の酒蔵と“米焼酎連合(仮)”をつくり、クラフトビールのように米焼酎が食卓に定番化することも目指している。

引き継がれる「人の営みが見える風景」

「地域がないと酒づくりはできない」「農地の荒廃はふるさとの荒廃」という思いから、田んぼを守りながら全量自社米で米焼酎を製造。自社管理の田んぼとメンバーの田んぼ計70ヘクタールで米づくりをしている。地域の高齢化によって、請け負う田んぼは年々増加しているが、1人1人の米農家が面積を拡大するのではなく、ねっかという“ゆるいつながり”が面積を拡大することで、協力しあい、地域の田んぼの風景を守りやすいというメリットも。田んぼでお米をつくることによって「人の営みが見える風景」が次世代に引き継がれていくことを願う。

次世代が定住しやすい地域の試み

2016年産のお米でつくった米焼酎は5キロリットル。2017年産は10キロリットルの見込み。貯蔵などの方法によって米焼酎に付加価値をつけながら、将来的には30キロリットルで1億円の売上を目指している。「南郷トマト」がブランドとなっている地域で、“冬仕事”を作り、年間を通じた仕事を生み出すことで、次世代が定住しやすいふるさとづくりにもつながっている。

日本一小さな蒸留所が世界一幸せなふるさとをつくる

{The CAMPusとは}

日本の農業の未来には、テクノロジーを磨くことよりも、情熱的な人が育つことの方が大切であると考えます。
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2017.11.30 START