講義の説明

情報更新日:2019/07/27

野菜ジュース屋の農的循環学

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「SUNSHINE JUICE(サンシャインジュース)を飲めば、世界が平和になる」

こう話すのは本講義の教授、サンシャインジュース代表のコウ ノリさんです。

「サンシャインジュース」は2014年にスタートした日本初のコールドプレスジュース専門店。フレッシュな野菜をコールドプレス製法※ で搾る無添加ジュースをはじめ、野菜の搾りかすを出汁に使った100%ビーガンのスープやカレー、スーパーフードなどを販売しています。

(※野菜や果物をゆっくり「プレス(圧搾)」して、保存料などの添加物を一切加えず、素材が持つ水分を搾り出してジュースを作る製法)

効率的に、野菜のもつエネルギーを体内に取り込むことができるサンシャインジュースのリピーターには、アスリートやモデルの方も多いそうです。そういうノリさんも、私生活では持久スポーツが欠かせない根っからのスポーツマン。サンシャインジュースを創業したのもアメリカ滞在時、当時ムーブメントとして始まっていたジューススタンドに出会い、そのジュースに痺れて帰国後、自身で作り始めたのがきっかけ。今でもオリジナルブレンドの野菜ジュースを毎朝ゴクゴク飲み、快適に仕事とスポーツで体を動かす日々を送っています。

“植物の持っているパワーを、できるだけ人間の手が加えられることなく搾る”というサンシャインジュースには、ふたつのコンセプトがあります。

1つは、野菜がどこで、どのように作られているのかわかること。

原料となる野菜は、ノリさんが直接農地を訪問し、農家の方に話を聞き、味わった上で、無農薬・減農薬の素材を中心に直接契約にて仕入れています。特に、質は良いのに「傷がついた・形が悪い」などの理由で売ることが困難な野菜や果物を積極的にジュースにしています。

もう1つは、できるだけ人の手が加わらないこと。

顔のわかる農家さんが育てた野菜を、できるだけ自然の形のまま体に取り入れることができるよう、“新鮮な野菜を搾る”というシンプルな工程のみで作ることを大切にしています。
またサンシャインジュースの特徴は、産地、時期によってジュースの味が変わること。それは野菜そのものの、自然の味を楽しんでもらいたいためです。レシピはその時の野菜や果物の仕入れの状況で決められます。

このように、自然のそのままの味を楽しめるコールドプレスジュースには、ボトル1本におよそ1〜1.5kgの野菜が使われています。「野菜は1日350gを目標に」(厚生労働省)と公言されていることを考えると、そのボリューム感に驚くでしょう。

「野菜汁・果汁100%」表記であっても、100円程度で販売されている野菜・果物ジュースが一般的ですが、サンシャインジュースはなんと1本980円〜の販売。市販の野菜ジュースの10倍程に価格が設定されているのは、単に野菜の量の問題だけではないようです。その理由は講義の中で明らかになりますのでお楽しみに。

さらには、ノリさんが“奇跡”だと確信して進めている計画があります。

ジュースを作ると、どうしても残渣(ざんさ・搾りかす)が出てしまいます。それをどうにか有効的にアップサイクルできないのか、とノリさんは考えるようになったと言います。

サンシャインジュースでは、これまでもジュースの残渣をビーガンカレー・ビーガンスープの出汁にしたり、Lefts, というブランドで染料にしてオリジナルのアパレルグッズを作ったり、練りこんでマフィンを作ってもらったり、と色々な取り組みをしていますが、ノリさんが“奇跡”だと考えたのが「コンポスト」という方法です。

まだ実験段階ですが、今サンシャインジュースで出た残渣を堆肥作りの技術に優れた方のもとへ持っていき、発酵させ、堆肥を作っています。

「完全にビーガンな“サンシャインコンポスト”をつくり、その堆肥で野菜を作ってジュースに使うという循環をまずは作りたい。また、お店に来てくれるお客様にもぜひこの堆肥を使ってもらって、ガーデニングや家庭菜園など土とふれあう時間を増やすきっかけにしてほしいんです。そのために良い野菜を探し、ジュースを作って、出たかすで堆肥を作り、それでまた良い野菜ができる。それってミラクルだと思うんですよね。僕は農家ではないから、農家さんと一緒にそういう循環を作ることで社会を変えていきたい。サンシャインジュースを飲めば、世界の平和につながるんです」

やや飛躍的にすら聞こえるノリさんの、言葉に秘められた“想い”や活動。本講義でじっくりと紐解いていきます。

コウ ノリ
東京都港区/サンシャインジュース代表

サンシャインジュース代表。アメリカ、日本、台湾での生活を経て日本初のコールドプレスジュース専門店「サンシャインジュース」をオープン。「リアルジュースで体が目覚めるこの素晴らしい感覚を一人でも多くの人に知ってもらいたい」という思いで2013年頃からイベント出店を通してジュースの販売を開始。原料である野菜の仕入れ先や流通のことを勉強しようと、農家さんのもとを訪ね、「規格外の野菜を仕入れることで、コストを抑えながらも生産者の顔が見える新鮮な野菜ジュース作りができるのでは」と閃き実践。現在都内に2軒の実店舗、オンラインシショップ、ヨガ・フィットネススタジオへの卸売でサンシャインジュースを展開。また、これまでにJAL国内線ファーストクラスでの取り扱いや様々な地方自治体とのプロジェクト、国内外各種ブランドとのコラボレーションを実現。商品のレシピは全て自身で開発している。趣味は持久スポーツで、フルマラソンは毎年サブスリーを達成しながら、STAY JUICYな生活を啓蒙する。