講義の説明

情報更新日:2017/11/30

「蒸し大豆」商品プロジェクト学

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『からだにいい大豆をおいしく食べてほしい。そして、何より毎日食べてもらいたいので、高級品であってはならないのです。』そう語るのは、株式会社マルヤナギ小倉屋 執行役員 総合企画室室長 海外事業部部長、株式会社だいずデイズ 次長として自社の大豆商品の啓蒙活動に奔走する柳本健一教授。株式会社だいずデイズで取り扱う有機JAS認証を受けた国産有機大豆の「蒸し大豆」は、250円(税抜き)というリーズナブルな価格で販売されています。国産有機大豆を使用しながら低価格で商品を提供でき、事業としても成功を収める秘訣とは、いったいどんな理由なのでしょうか?

株式会社マルヤナギ小倉屋では、業界に先駆けて「蒸し大豆」に着目し、2002年に商品化に成功。従来は水煮で加工されるのが一般的だった大豆を、袋詰めした状態で蒸し上げることで栄養素の流失を最小限に留め、おいしく仕上げることが可能になりました。「蒸し大豆」の開発により、ますます高まる健康価値を広く知ってもらうために「蒸し大豆プロジェクト」を開始し、商品プロモーションに力を注いでいます。発芽大豆などの新規プロジェクトを担うべく誕生した株式会社だいずデイズでは、さまざまなアプローチを敢行。自社の分析データを出版社へ持ち込み、雑誌に掲載されたのをきっかけに、NHKの朝の情報番組でも取り上げられ、栄養価の高い蒸し大豆の知名度は一気に上昇しました。

活動を続けるうち、料理や食育に携わるプロの活動家からの提言を受け、2014年にはそれまで原料として使用していた特別栽培大豆から、有機JAS認証を受けた国産有機大豆での蒸し大豆づくりに着手。また、株式会社マルヤナギ小倉屋の研究所内でまとめた蒸し大豆の栄養成分などの研究データをもとに、文部科学省発表の「日本食品標準成分表2015年版(7訂)」に、「蒸し大豆」の項目が新たに追加され、さまざまな食の現場での利用拡大に期待が高まります。

『毎日必要とされることで、有機大豆を作る農家にも作る必然が生まれます。次の年も、そしてまた次の年も、安心してすばらしい有機大豆を栽培し続けられるように、販路を開拓していくことも株式会社だいずデイズの大きな使命でもあります。けれど、販路を広げたいからといって、やみくもに取引先を増やすのでは意味がありません。ほんとうに必要としてくださるかたにおいしく食べていただけることが最優先です。』と語る柳本健一教授。

一時期は、国産有機大豆を使用することで採算が合うのかどうか、商売の理想と現実のはざまでジレンマに陥ったこともあったのだそう。そんななか信念を貫きながら新規事業へも挑戦し、成長を続ける秘訣とは?この講義では、日本の大豆の現状や生産農家の有機大豆への思い、スーパーフードとして注目を集める各種豆類を使った商品の誕生秘話、若い世代からも関心が高い「素材菓子」分野への挑戦、アメリカ進出までの軌跡などのストーリーを綴りながら、人々に必要とされる「食」とは何か?を考えていきます。

柳本健一
兵庫県神戸市/株式会社だいずデイズ 執行役員

1982年兵庫県神戸市生まれ。1995年1月、12歳で阪神・淡路大震災を経験。祖父・父の経営する会社と自宅に甚大な被害を受け、一時期大阪市内への避難を余儀なくされる。2006年大阪大学経済学部卒業後、日本電産株式会社に入社。人事部、海外事業部に約7年在籍するうちに、海外での活躍を目指すようになる。 しかし、祖父たちから家業である食品製造卸販売業経営への参画の誘いに心が動き、30歳で帰郷。株式会社マルヤナギ小倉屋の新子会社である株式会社だいずデイズの経営推進を担当。同社の主力商品の「蒸し大豆」の健康価値を広める活動を精力的に推進し、経営を軌道に乗せる。2016年より親会社の執行役員にも就任し、総合企画室室長や海外事業部部長を兼務。新規事業などを広く担当している。2017年には「蒸し大豆」のアメリカでの販売をスタートさせ、念願の海外進出を果たす。いつも熱く大豆を語る姿から「大豆王子」と呼ばれ、周囲から親しまれている。