講義の説明

情報更新日:2018/04/18

梶谷ユズルの三ツ星ハーブ学

  • フォローする
  • お気に入り

フレンチの白いお皿のうえが、舞台。くるくるとツルを伸ばしたハーブが踊り、蝶々のようなエディブルフラワーが舞う。ひと葉、ひと花、美しくたくましい生命力に触発されて、シェフたちは次なる料理への想像力がむくむくと沸き上がる。ヒロインになれる小さな野菜たち。「梶谷農園(かじや・のうえん)」からクール便が届くたび、日本各地のシェフたちは胸をときめかせ荷をほどきます。

送り主は、スーパースター・ファーマー「梶谷ユズル」。

ただし、この荷を受け取ることができるレストランは国内でも限られています。農園のウエイティングリストには約300件が名を連ねます。それでも、新規取引を希望する電話はひっきりなし。

「いくら有名な三ツ星レストランの腕利きシェフだからといって人間として“クソなやつ”はお断り、スター気取りのシェフには虫唾が走る」と、歯に衣を着せない物言い。ただし、それはわがままや好き嫌いではなく、自分らしいワーク&ライフスタイルを持続していくために築いてきたルール。

「料理人がどんな野菜をほしがっているのか。日本には、そんなことも知らずに野菜を作っている農家がほとんど。うちでは、レストランのシェフから直接オーダーをいただきます。どんな料理を出す人物なのか、どんな人柄で、どんな哲学を持っているのかなどを把握していないと良いパートナーにはなれませんから。食べることも好きなので、実際に客として足を運びますしね」

星付きレストランの料理を自分の舌で知る。国内外のシェフと対等に向き合う語学力とコミュニケーション力がある。世界各地の農家仲間や友だちとこまめに情報交換する。料理本やビジネス本を毎日読みまくる。加えて、映画だって毎日1本観る。家族と過ごす時間も愛しい。梶谷さんにとってそれは「当たりまえなこと」「カンタンなこと」。しかし、一般的にはそのハードルが越えられない。なぜ、こんなにも彼は一流の料理人たちに愛されるのか?この講義では、梶谷ユズルさんがこれまでに歩いてきた道のりや人脈を辿りながら、スーパースター・ファーマーのスーパースターたる糸口を探ります。

梶谷ユズル
広島県三原市/梶谷農園 代表

国内外の凄腕シェフから引く手あまたの「スーパースター・ファーマー」は、1979年に広島県三原市久井町に生まれました。当時、年商1億円もあげるほどのハーブ農園を経営していた両親は海外視察に彼を連れていくことも多く、その影響で中学2年生からカナダの学校に通います。大学はトロントの郊外にある農業系大学へ。その後、北米トップクラスの園芸学校「ナイアガラ・ボタニカル・ガーデン」で植物についての知識を深めます。2007年に帰国、父を継ぎ、農園のオーナーとなりました。「星付きレストラン専用のハーブ栽培」を経営方針とし、シェフの細やかなニーズに応えることができる生産体制を確立。現在10年目で契約レストラン150件、海外研修生も含め約15人のスタッフを抱えます。美食家で読書家、奥様と3人の子どもたちの夕食を毎日担当する料理好きのパパでもあります。