講義の説明

情報更新日:2017/12/23

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木を伐らない林業? 東京の庭「奥多摩」で都市と森の新しい関係を探る

菅原和利
東京都奥多摩町 / 森と市庭
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都市と森とのつながりが失われてきた現代。かつて東京の奥多摩エリアは江戸の街に木材を供給する重要な場所でした。筏に組まれた木材が多摩川を下り木造家屋の材料として使われたり、建材に適さない細い木材は建築現場の足場として使われたり、さらに細い木や枝は炭焼きされて木炭になって家庭の燃料として使われたり、都市の生活は森からの恵みによって支えられていました。戦後になって安価な木材が海外から輸入され、建築工法も変化して木材が鉄やコンクリートに置き換わっていく中で、生活空間から木や森の存在が薄くなってきています。そんな中、奥多摩に移住して「東京の都市と森をつなげること」をミッションとし、多摩産材を活用した商品開発や営業、体験プログラムの運営を軸に林業の六次産業化に携わっているのが、株式会社東京・森と市庭で営業部長を務める菅原和利さんです。

日本中で林業が衰退しているのは、木を使うための”出口”がどんどん無くなっているから。そこで、山で木を伐り出すところから都市で需要を創り出すところまで、伐採から商品化・流通まで一貫して行うための会社を奥多摩に作ろうと設立されたのが、株式会社東京・森と市庭です。奥多摩の山主さん、林業再生のノウハウを持った株式会社トビムシ、住環境やまちづくりのコンサルティングを行う株式会社チームネット、オフィスリノベーションなどを手がける株式会社ディー・サイン、不動産サイトの運営行うR不動産株式会社の5者が出資してできた民間企業で、奥多摩の森と都心をネットワークしています。菅原さんはその営業部長として奥多摩を拠点にしながら、森と都心を行き来する生活をしています。

菅原さんは「材料としての木を売るのではなく、木のある暮らしを提供したい」と語ります。菅原さん自身、連日奥多摩中を駆け回って働きつつも、 朝は早起きして釣りに行ったり、仕事の合間に山道をゆっくり歩いてみたり、休みの日には古民家の自宅の庭に仲間を呼んでBBQをしたり、ライフワークとして奥さんと木製カッティングボードのブランドを立ち上げイベント出店に精を出していたり、奥多摩の森と木に囲まれた環境をフルに楽しむ暮らしを送っています。この講座では菅原さんの視点を通して、木を売るだけではない「都市型林業のあり方」、そして森と都市の新しい関係のあり方を探ります。

木を伐らない林業? 東京の庭「奥多摩」で都市と森の新しい関係を探る

菅原和利
東京都奥多摩町/森と市庭

株式会社東京・森と市庭(いちば)営業部長。1987年生まれ、神奈川県小田原市出身、東京都奥多摩町在住。法政大学人間環境学部在学時から奥多摩町でまちづくりに取り組み、卒業後は同町へ移住。空き家をシェア別荘化する事業などを行う地域プロダクション会社を23歳で起業した後、不動産営業を経て株式会社東京・森と市庭へ合流。同社ではオフィス及び保育園向けに東京産の杉・檜を活かした木製品の商品開発・営業、奥多摩での林業・木育体験などを担う。大の釣り好きで、初釣りは保育園生時代という経歴を持つ。