講義の説明

情報更新日:2017/12/02

ハッピー微生物ライフ学

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「醸すラボ」COBOウエダ家の場づくり

神奈川県横浜市、港北ニュータウンとよばれるエリアのきれいなビルの中…。ここに、COBOウエダ家のクリエイティブチームの皆さんがいらっしゃる、その名も「COBO Lab. 自然発酵食研究所」があります。そう、ここはラボ=研究室として菌の研究開発や製品の製造を行っているところ。別室では、COBOの講座やパーティーといった、菌を知って体感する場を提供しています。

ラボは新しい建物ではありますが、常に生きた菌たちが生息しているためか、快適で心地よい空気に満ちています。古い蔵や伝統的な日本家屋ではなくとも、人が人と出会い、新たな刺激を受け取れる「醸し場」になれるんだと感じさせてくれる。いうなれば「新しさの中に古き良きものが存在する」という、世界でも珍しいラボかもしれません。

近年、健康意識の高い人たちを中心とした”発酵ブーム"なるものが生まれ、もはや定番化してきたともいえます。メディアなどの影響力も後押しし、発酵食品が体に良いらしい、ということが多くの人に広まってきたいま、日常的に発酵を取り入れるにはどんなことをすれば良いのでしょうか?
発酵を取り入れるためになにか大変で負担になることはないのか、忙しくても毎日できるのか、何がどうして体に良いのか、そしてそもそもおいしいのか??といった素朴な疑問や不安を持っている方もいるかもしれません。

COBOウエダ家が開発した発酵システムやプロダクトは、まさにそんな声に答えるかのように誕生したといえます。

 

植田家が「ウエダ家」になった日

デザイナーであるCOBOウエダ家代表の植田夏雄さんは、約20年ほど前、とある書籍の出版に携わり「菌の世界」に触れることになりました。そこから天然酵母、それも自然界に存在する「野生の菌」のはたらきにたどり着きます。
このパンをおいしくしている酵母とは何なんだろう?という好奇心に従い、あらゆる植物を瓶に入れては観察し、ときに味わってみる日々。いつしか酵母を育てるということが植田家にとって日常になっていきました。

「うちはみんな、菌を基準に暮らしてますよ。」

そう話してくれる夏雄さんの優しい笑顔とお人柄は、ひと目でファンになるほどの魅力で溢れています。しかし「菌を基準に」とは一体どういうことなのでしょうか?

それは人ではなく、菌を基準にした”判断力”のことでした。

自然と共にある菌は、季節の巡りの中で呼吸し、他の菌たちとバランスを取り合いながら調和して生きています。私たちの肉眼で見ることは難しいほどミクロな菌が、バランスよく活性化してくれることで人間の体は健やかに保たれ、本来の健康状態を保持できるようにできているのです。

しかしいつの間にか便利さ・効率・スピードといった人間だけの都合が優先される生活になったことで、菌は殺菌され、農薬が主流となり、遺伝子が操作され、添加物が増え、ストレスや疾患を持つ方もとても多くなりました。

そんななか、もしも人々の生活習慣が病を発症させるのであれば、日常の暮らしを変えることが解決策になるのかもしれない。少なくとも、体に取り入れるものに意識を向けてみると、何を食べるべきなのか、何を選ぶのが良いのか、といった判断力が各自の中に芽生えはじめてくる。

それが微生物たちを観察し続けた植田家がたどり着いた「菌を基準にした判断力」だったのです。

この菌を基準にした判断力を家族みんなで共有した植田家は、「ウエダ家」として新たに生まれ変わり、私たちの暮らす現代社会と菌の世界をつなぐ役を担ってくれています。

 

ウエダ家の代名詞、「自然発酵乳酸菌」

日本では昔から、味噌や日本酒といった仕込みを「寒仕込み」または「寒作り」といって、冬の寒い時期に仕込む習慣がありました。その理由は材料となる穀物の収穫時期であるほかに、低温からじっくり時間をかけて熟成できること、そして気温が低いことで仕込みの間に雑菌が入りにくかったためと言われています。

ウエダ家の発酵も同じく、材料を瓶詰めにしたあとに低温状態で乳酸菌を増やす「寒仕込み」ですが、実はこのときの発酵には2段階あるんだとか。まだ雑菌が多い1段階目(Level1)を経て、その雑菌が減った2段階目(Level2)のときが、乳酸菌と酵母がちょうどいいバランスなのだそうです。

それも、無肥料・無施肥で作られたササニシキを発酵させると、乳酸球菌と酵母が共生する菌叢(フローラ)が形成されやすく、そのはたらきが人に有害な菌の発生を抑えるということが分かりました。

ウエダ家ではその最も良好な状態の菌を「誰もが使いやすい・誰もが微生物と関わりやすい」と感じる形にしてお届けしたい、と考えました。発酵や微生物に興味があっても「どうして良いかわからない」と感じていた人たちにも、安定した、質のよい乳酸菌を届けたい。そう願っていたのです。

そこで、菌をパウダー化する特別な技術によって、「ウエダ家の自然発酵乳酸菌」を製作販売することになりました。


この乳酸菌パウダーは無理なく普段の暮らしに取り入れることができ、活用の仕方もさまざま。COBOウエダ家のオフィシャルサイトでもレシピやアイデアを公開中です。さらに、これを元にして「豆乳発酵マルチクリーム」「におわないぬか床」といった新製品開発にも成功し、大ヒット商品としてかなりのロングセラーを誇っています。

この講座では、そんなCOBOウエダ家直伝の「暮らしに生かす知恵」をお伝えしていきますので、どうぞお楽しみに!

COBOウエダ家
神奈川県横浜市/COBO Lab.自然発酵食研究所

COBO=酵母をはじめ、微生物のはたらきによって作られる天然発酵食品の研究開発、および微生物を基準としたライフスタイルの提案を行うクリエイティブチーム。 チーム長はベストセラーとなった『旬の酵母でつくるパンBook』(自然食通信社)を2002年に出版し、時代に先駆けて菌の世界に着目したデザイナーの植田 夏雄(うえだ なつお)氏。チームメンバーは、レシピ開発を中心とした奥様・道子(みちこ)さん、講座企画や広報的な役割をご担当する長女・亜弥(あみ)さん、ラボで研究に取り組み講師もされる長男・遊(ゆう)さん、道子さんのレシピを教える次女・好(よしみ)さんというまさにウエダ家の面々と、製造に関わるスタッフの方々。 消費が主流になった食卓へ、先人から伝わる循環型の自然の智慧を届けたい、と安全な食の提供と情報発信・セミナーなどを開催し、世界各地に多くの”醸し人"たちを誕生させている。 著書に『酵母ごはん』(2006年)、『新しいごはん』『酵母スイーツ』(共に2007年)(いずれも学陽書房)『COBO 野生酵母と出会う』(2008年 エスプレ)『ウエダ家のえがくスープ』(2011年 学陽書房)など多数。