情報更新日:2018/08/30
- そだててつくる学科
- 水産加工学類
海水から作る山塩学
「塩」と出会い、「塩」で生きていくと決めるまで
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海水から作る山塩学
海からおよそ20km離れた高知県の山間地で、塩作りを行う森澤宏夫教授。「山」という言葉から岩塩のようなものを想像しますが、実はこの「山塩」は、海水から作られています。車で約40分の距離を往復し、土佐湾の海水を山のビニールハウスへと運んでいるのです。効率性とか合理性とか、仕事をしていく上で常識とされるようなセオリーはここでは一切無縁。独創的で創意工夫にあふれた森澤ルールにこそ、山塩の真髄があります。
高知県四万十町の山間部で、塩作りを行う森澤宏夫教授。車で片道40分の距離を走り、土佐湾から汲み上げた海水を、天日による乾燥と手作業のみで作る「山塩」。文字通り、「手塩」にかけて作られる職人のこだわりの結晶です。そこには、効率や合理性の追求からでは決して生まれない、モノづくりの極意が存在しています。第一回講義は、県職員として公務員生活を送っていた森澤教授が、塩作りに携わるようになるまでの経緯をたどります。
1954年、兵庫県神戸市に生まれる。工業系高等専門学校在学中に親戚の田植えの手伝いをしたことで、農業への興味と関心が芽生え一念発起し、香川大学農学部への進学を果たす。卒業後、祖父と父の故郷である高知県で県庁職員となり、農業改良普及員として13年間勤務。営農指導員を指導する立場で農業の近代化などの普及教育活動に携わっていたが、38歳で会員制の塩の頒布会と出会い、手作りの塩の味に感動。塩作りに興味を抱くように。40歳を目前にした頃、安定していた公務員の職を辞し、塩の道へ飛び込む。仲間と協力し合いながら塩作りに携わった後、独立。「山塩小僧」という名のこだわり塩を生産している。海で汲み上げた海水をわざわざ山へ運び、ビニールハウスの中でじっくりと乾かして作る「山塩」と向き合い20数年。とがりのないまろやかな旨みが特長の塩は、地元のみならず全国各地の山塩小僧ファンから愛されている。
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